皆さんはライヴ・エイド(Live Aid)をご存知でしょうか。
1985年7月13日にアメリカとイギリスで同時に行われたチャリティコンサートです。
「We Are The World」はご存知ですよね。その延長線上として行われた物です。
恐らく、屋外コンサートとしてこれ以上の規模の催しは2度と起こりえないでしょう。
このコンサートは飢餓救済を目的とした物でしたが、結果的には一つの興行として、歴史の分水嶺として名が残る結果となりました。
参加ミュージシャンはまさしく綺羅星の如くです。1985年という年も商業音楽の脂の乗り切った時代であった為プラスに作用しました。
フォー・トップス、ビーチ・ボーイズ、ポール・マッカートニーといった古参からブライアン・アダムス、マドンナ、フィル・コリンズといった当時のスターまで総勢60組以上のミュージシャンが集い、演奏しました。
あのクイーンはライブ・エイドでの伝説的名演で解散説を払拭した事でも有名です。
その様子は映像として残されていますので、興味のある方は是非ご覧になって下さい。
しかしアメリカとイギリスでの同時開催、世界同時衛星中継という無謀さ、企画側、ミュージシャン側、観客側の趣旨意識の違いなど、問題も数多く残されたまま幕を閉じました。
そもそもこの催しは前述の通りチャリティであり飢餓救済が目的でした。「目的だった」というのが正しいのかもしれません。
恐らく観客の大半は人気ミュージシャンが見たかっただけでしょうし、ミュージシャン側も歴史的コンサートに名を連ねたかっただけ、という人間の方が多かったでしょう。
真の意味で趣旨を理解していたニール・ヤング、CS&N、ボブ・ディラン等のミュージシャンは「時代遅れの産物」として叩かれる有様でした。
1985年、この年にはもう音楽は商業的な側面を絶対的に無視できなくなっていたのです。
時代を経て、今ライヴ・エイドの映像を見る我々もチャリティの側面を意識する事はほぼないでしょうから当然、当時の人々もそれは同じでしょう。
皆さんにとって、音楽とは何でしょうか。お聞かせ下さればこれ程嬉しい事はありません。