「スピットボール」という言葉をご存知でしょうか。
野球において、ボールに何かを塗って投球する事を指します。
当然、バレたら退場の反則行為です。
このボールを駆使してメジャーリーグを渡り歩いた男がゲイロード・ペリー(1939-)です。
メジャー通算314勝、紛うこと無きレジェンドですが、彼の最大の武器は通常ありえないような軌道を描く変化球でした。
その秘密はワセリンや歯磨き粉と言った粘りのある液体をボールに塗って投げている・・・と言われ続け本人もそれをほぼほぼ認めていましたが、審判が厳しく身体検査をしても一切証拠が出てこず、ついに引退までタネがばらされる事はありませんでした。
勿論、メジャーリーグはただの不正投球で生き残れる世界ではありません。
彼は決め球の前に顔全体をいじり、明らかに怪しい動作をする事が特徴でした。相手バッターからしてみると顔の何処かにワセリンが付いており、スピットボールを投げるのではないか・・・・とこれ以上無く心理を揺さぶられる事でしょう。実際にスピットボールを投げるか以前の問題です。
ペリーは心理戦にも長けた男でした。
野球殿堂入りを果たした時に、ペリーはバッテリーを組んだキャッチャー全ての名前を読み上げ、感謝の言葉を表しました。
ここから導かれるスピットボールの仕掛け人・・・何となくわかる様な気がしてきますね。